保育園文集(4)2012春「保育園で出会えて良かった2」 #hoiku
大阪市内の私立保育園です。保護者会と保育園職員と協力して毎年発行している文集の巻頭言を書きました(名称は仮名) 巻頭言 2011年春→ 2012年春→ 2013年春 -- 「保育園で出会えて良かった2」 保護者会会長 ムン青ヒョン 初めてこの文集を手にとった新入園の皆さん、ようこそ保育園へ! さて、『ひかりのひろば』は保護者や職員が全員でつくる文集です。年長さんだけではなく、保育園に縁ある保護者・職員の子どもたちへの眼差しを全て記録するものです。わが子の思い出を記し、成長を共に分かち合うものです。初めて読まれる方も次回からは投稿をお願いします。ここ数年は、年末より原稿を募集し2月前後に締め切るスケジュールになっています。その後、保護者と職員で構成する「ひかりのひろば編集委員会」が中心になり文集をまとめます。製本印刷は、準備段階から長年に渡ってA印刷さんにお世話になっています。今回第45集を発行する運びとなりました。前回第44集においては、1953年からの園の歩みや、『ひかりのひろば』の歴史にも触れていますので、是非これまでの文集もご覧ください。バックナンバーは保育園で読むこともできます。 「卒園する時だけ書けば良いのでは?」「卒園アルバムは別に頂けるし、正直、文集要らない。」そうお思いの保護者も居られるかもしれません。もともと園事務室でとりまとめや校正作業を長年して頂いてきました。しかしその作業量に心労たたり泣く泣く「ギブアップ」されたのですが、「文集はやはり大切です。無くなるのは悲しい。保護者も人出と金額を負担するので一緒に続けましょう」と保護者の呼びかけから再始動し、園+保護者の共同作業となり、広く皆が投稿するよう呼びかける現在の形に至ります。しかし、文集分の保護者会費値上げや、そこでの「皆が皆やるべし」という経緯に不満のあった保護者、「書かない、書けない自由も認めてください」という思いの保護者がいたこともまた事実。僕が知るかぎり、長年続けて全世帯で文集を作成していこうよ、という「ムチャ振り」を実行してきた施設はうちの園以外で聞いたことがありません。それだけに誇りであると同時に、無理もあったやろなと想像します。保護者も職員も入れ替わっていくなかで、今後も続けることが出来るのか、文集の思いや文集を通じた喜びを伝えていくことが出来るのか、それは、これからの保護者に委ねられているとも言えます。僕は良し悪しはあっても、ひかりのひろばを発行する皆さんの熱量を誇りに思います。 さて、来年2013年の保育園60周年を前にして、この1年は春の震災から、土砂降りの夏祭り、嵐によるイベント中止、運動会の親子競技は2年間も開催できず、はたまた園の近隣づき合いや信頼関係を考えさせられる諸問題、一向に変わらない不況に広がり続ける格差、老朽化進む園施設、「ひかりのひろば公園」は無くなり、道路は出来てきたわ、ゼロ歳児もいっぱいやわ、市長も変わった、さっそく春から新保育体制!? ポンポコピー!いかりや長介!? さらっと書きましたが、ただ保育園の保護者生活を生きるだけでこれほど悩んだり悔やんだり希望することになるとは思いもしなかった一年でした。保育園を通じて周囲を見渡しても、これまでにないほど先の読めない状況です。それどころか、今日から明日へギリギリの綱渡りをずっと続ける毎日、いつ足を踏み外して落ちるのかという不安の毎日です。もちろん喜びもあります。けれども、辛い。私もつい先日、新市長になってから初めての市との懇談会にこっそり列席させてもらいましたが、大変な閉塞感でした。「市長の命でご免なさい」的な担当課長の苦笑いを目にして不安に思ったものの、こちらは、これまでの大阪の経緯を踏まえた行政のプロによる市長への情報提供や突っ込みを期待し応援するしかない。公的な責任からどんどん逸脱していこうとする「保育」。これまで以上に、自己責任の名のもと、保護者がおそろしく忍耐強く情報を集めなくてはならないという状況です。誰も頼らず、自分で頑張るしかない。そういう姿を子どもに見せるしかない。でもね、そんなこと誰が望んでいると言うのでしょうか。 だから、「もうひとりひとりがバラバラに頑張っていくしかない」、ではないんです。だからこそ、ひとりで悩む保護者や子どもを出さないためにも、縁あって集った私達が、お互いに声を出して、つながらないといけないんです。「つながれつながれ、聞き飽きた」と既にお感じになっている方も居られるかもしれません。ですがね、これからがいつでも正念場なんですよ。おとなたちが、一緒になって必死で生きてる姿をさらしましょう。一緒に悩んで励まし合ってる姿を子どもに見せましょうよ。 卒園・転園する子どもたち、保育園で身につけた生きる力をこれからどんどん活かして下さいね。なんとかなるよ。保護者のみなさま、今後も地域や様々な場面でどうぞよろしくお願いいたします。本当にこれからですよ。なんとかしようよ! それぞれの現場で頑張りつつ、そしてつながりましょう。子どものためです。地域や社会の未来のためです。私達自身ひとりひとりのためです。 (2012年2月) 巻頭言 2011年春→ 2012年春→ 2013年春
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/青ひょん