2008/05/04

地塩寮の総会に行ってきた(その3) 夢はカタリ派巡り



寮の総会で久しぶりに再会したゲンちゃん。恰幅が増したのに声や雰囲気は昔と全然変わってなくて、すまん、そのギャップに大笑いしてしまったよ。

彼は現在、フランス文学研究で飯を食ってる。

フランス語しか出来んで困ってる人など、裁判で同時通訳とかもしてるらしい。先日、韓国からSquatter (スクゥオッター)が来日してたとき、フラ語できる人をあれこれ探してたんだけど、しまったなぁ。ゲンちゃんが居たってよ。彼は日程さえ合えば、出来ることは協力してくれるって♪

-----

で、実は、僕には学生時代から夢というか、死ぬまでに見たい景色がありまして(1人ではさびしいので親友と一緒に、、)。それが南フランスの話でして。

-----

『らき☆すた』原作地を訪ねるファンと同じ、、、いや、どちらかと言うと、『ひぐらしのなく頃に』ユーザーが、間違って白川郷を訪問しちゃう状況に近いか、、、、と同じで、僕が長い間「あぁ、いつか行きたい行きたい、、」と周囲に漏らしている場所は、オック地方です。(「ラキスタ」も「ヒグラシ」もよく知らずに引き合いに出してすいません)

フランス、オック(ラングドック)地方。

-----


オックってどの辺?(googlemap)
大きな地図で見る


『サマー・アポカリプス』笠井潔 創元推理文庫

南フランスは Toulouse(トゥールーズ)~Carcassonne(カルカッソンヌ)~Montségur(モンセギュール)を舞台に繰り広げられる、「殺人事件」を中心に展開される探偵小説。夏のアポカリプス(黙示録)。笠井潔のカケルくんシリーズの2作目。シリーズを知らない人は、どうせなら、1作目の『バイバイ、エンジェル』から読むということでいかがでしょうか。3作目以降の同シリーズは、、、別に読まんでええと思います^^; 僕はかれこれ「バイバイエンジェル」も「アポカリ」も5,6冊ずつ買ったです、、。

息子の名前も、最初、リンゴにするかカケルにするか随分悩みました^^;

-----

作中、探偵役の矢吹カケル@元狼が、シモーヌ・リュミエール@ Simone Weil(シモーヌ・ヴェイユ) を問い詰めます。
---
祈りとは
「・・・カタリ派の人びとは、この世界が悪で満ちていること、この世界には神が不在であること、この世界は兇悪な暴力と権力が支配する場所であることを熟知していました。祈りとは、存在しないものへの祈りなのです。悪に満ちたこの世界には神が存在しないが故に、そうであるが故に、神が存在すべきもうひとつの世界の実在が露になるのです。視えない世界、存在しない世界は、それへの祈り、絶望的な狂気じみた祈りのなかにだけその姿をちらりと現わすのです。・・・」

---
「祈り」って何だろうな、って事を考えるときに、いつも、このシモーヌの台詞を思い出します。
昔は暗記してたんだけど、さすがに忘れてて、見直したよ、、。ヴェイユなら、もっと簡潔で明晰であっただろうな、とも想像します。

僕には信仰する対象や神は居ないんだけれど、あえて言うならば、太陽と共に生きたいと思って生きています。
僕は、モンセギュールや名のない古城を登り、そこからどんな太陽が見えるのか、網膜に焼付けたいんです。

-----

で、寮の総会で再会したゲンちゃんは、フランス生活6年の間に当然のように、ラングドックを巡り、美味いもんを食べ、古城を登ったそうでして。うらやまじい。とっても羨ましいです。

「ちょんひょん、ラングドックはパリとは違うよ」

パリも知らんけど^^; そうか、違うんですな。Catharisme(カタリ派)、Croisade des Albigeois(アルビジョア十字軍)の話をちょっとする。ゲンちゃんは、南フランス地方のイスラムの影響について語り、カタリ派のイスラムとの影響(?)について言うてはった。

カケルは、カタリ派を、キリスト教の範疇でとらえるのではなくミトラ教など古代オリエントの太陽信仰に結びつけたかったそうな。

-----

僕は済州島(チェジュド)の洞窟には、よう行かへん。沖縄の洞窟にも出来れば行きたくない。しかし、カタリ派が、言葉思想友人たちを奪われた場所には行ってみたいと思う。この辺の感覚はなんなんだろうなぁ。自分自身とテーマとの距離設定の問題なんかな。





2 コメント:

Tatsuro さんのコメント...

フランス語でくってる「げんちゃん」いうたら、あのげんちゃんかな(笑)

友人にオック専門家がおる。ニッチ産業やさかいな、わしら。

フランス人はフランス語、って「思いたい」「日本人」のメンタリティー、あるわけで。

フランスってのは「えげつない言語支配」の教科書です。

「自由、博愛、平等」は「フランス人」にだけ及ぶわけですな。

オクシタンよりもアルザスの方が本はたくさん出てるかな。

ムン青ヒョン さんのコメント...

>tatsuro さん

》「自由、博愛、平等」は「フランス人」にだけ及ぶわけですな。

その通りなんだよねぇ。

げんちゃんは「タナベ遠いわぁ」言うてる(?)げんちゃんです^^;

そうか、「オック専門家」なんてジャンルで頑張る方も居られるんだ!! 需要度はわからんけど、なんや頼もしい気分だなぁ。

<アルザスの方が

ふむふむ。ありがとうございます。

コメントを投稿

コメントを手作業で承認しているので、公開までに時間がかかります。ごめんなさい。また、古い発言へのコメントであっても、とても嬉しい!どうぞよろしく。

「コメントの記入者」は、例えば「名前/URL」を選んで、「名前記入し、URL未記入」などでOKです。コメントできないなぁという場合は、「何度かプレビューをする」と、うまくいくようですが、もし良ければ aohyon@gmail.com までメール頂けると対応します!

「そこまでのことでもないし」と言わず是非どうぞ(・∀・)

 /青ひょん

Comments on Google+: